ウォール街、利下げ予想見直しが相次ぐ！米利下げ観測後退で生まれる投資チャンスは？

先週の米CPIやと今週の小売売上高の予想外の伸び拡大を受け、ウォール街の大手銀は利下げ予測見直しの動きが広がった。ゴールドマン・サックスは、今年の米利下げ予想を3回から2回に変更し、バークレイズは1回のみ、バンカメとドイツ銀行は12月に1回のみとの見通しを示した。両行は従来、米利下げが６月に開始されると予想している。ドイツ銀行はさらに、将来のインフレデータが利下げ期待を裏切る場合や選挙結果がインフレを悪化させる財政政策につながる場合、2025年まで利下げしない可能性もあると指摘。

市場では「FRBには逆らうな」から「FRBを疑え」が合言葉になった。利下げ開始時期と回数の予測も、今や、最速9月説が最有力となる。回数は最大でも2回、主流は1回となり、年内利下げ見送り説も増えつつある。投資家は慎重な姿勢を保ち、利下げ幅の減少が最終的に株式市場にどのような影響を与えるかを見極める必要がある。

市場は再びインフレトレードが続き、銅を代表とする工業金属はさらなる上昇余地があると見ている。アナリストによれば、商品相場の強気は、FRBの利下げ観測後退や、世界的な需要改善に支えられているという。

4月に入り、金は初めて節目となる1トロイオンス2400ドルを突破し、歴史的最高値の更新が相次ぎでいる。金価格の記録的な上昇は米インフレ再燃、中東情勢の緊迫化など地政学的リスク、米大統領選挙による財政不安、投資家のFOMO（取り残されることへの恐れ）複合的な要因によるものである。多くのアナリストは金の強気相場が少なくとも今年後半まで続くと見ている。ウォール街は金の目標株価引き上げが相次いでいる。ゴールドマン・サックスは2700ドル、バンカメは3000ドル、UBSはさらに野心的な4000ドルと予想。アナリストは金関連銘柄は上昇の勢いを持続していると見ている。その関連銘柄は以下の通り。

関連銘柄について、 $日本高純度化学(4973.JP)$は年初来30％、 $三菱マテリアル(5711.JP)$は24％、 $ＳＰＤＲ[Ｒ]ゴールド・シェア受益証券(1326.JP)$は25％上昇している。

今年、世界の銅価格は上昇を続け、ロンドン銅はトン当たり9000ドルを突破し、昨年4月以来の新高値を記録した。米国株市場では、銅関連株とETFも好調だ。 $エヌビディア(NVDA.US)$の「GTC 2024」ではAIチップ市場だけでなく、チップに使用される銅ケーブルにも注目が集まっている。JPモルガンのアナリストもエヌビディアがAIデータセンターの短距離データ伝送を光ファイバーから銅ケーブルに切り替えることが、銅需要の大幅な増加を示唆し、銅関連銘柄の株価を押し上げると予測。モルガン・スタンレーはAIの急速な進化に伴い、銅需要が大幅に増加し、特にAIデータセンターが新たな成長ポイントになり、24年第4四半期には銅価格が10500ドル/トンに達すると予測。

関連銘柄について、 $サザン コッパー(SCCO.US)$は年初来33%、 $タセコ マインズ(TGB.US)$は77％、 $エロ クーパー(ERO.US)$は27％、 $ハドベイ ミネラルズ(HBM.US)$は37％、 $フリーポート マクモラン(FCX.US)$は16%上昇している。

原油価格の上昇に伴い、米国株式市場では、エネルギー株がテクノロジー株よりも注目される「主役」になっている。市場ではエネルギー株が注目を集める背景には、世界経済が予想上回ることで石油需要が旺盛になっていることと、OPEC+による減産、ロシア・ウクライナ紛争や中東紛争など地政学的なリスクによるサプライチェーンの阻害があると見られている。

さらに、AIの急速な発展に対応するために大量の電力が必要となるため、今後数年間で世界のエネルギー需要はさらに急増する見込みだ。LPL Financialのレポートによると、エネルギー・セクターの3月の業績修正はS&P500の全セクターを上回った。 ローゼンバーグ氏は、最近の原油価格の上昇は、石油精製会社の業績向上と石油開発会社の売上増加を意味すると述べた。

米国債が大幅な売り越しに見舞われるなか、大手ハイテク株は投資家の「避難先」として再び選ばれるようになった。 これらの企業が持つ強力なキャッシュフローは、市場の下落に対する抵抗力を示すと市場は見ている。