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≪エヌビディア特集≫ 「GTC 2024」で示した凄さ、株価反応、関連銘柄

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moomooニュース米国株 コラムを発表しました · 03/27 03:10
サマリー
エヌビディア:支配的地位維持で、業績拡大続くか
「B200」をはじめとするBlackwell搭載の製品は、今年後半にテック大手などへ提供される予定だ。よって、業績への貢献は2025年から(2026年1月期、エヌビディアは1月決算)となるだろう。テック大手のAIへの設備投資が続いていることを踏まえると、エヌビディアの業績拡大は続くと見込まれる。
株価は急騰による利益確定売り圧力や期末のポジション調整、1,000ドルの大台をにらんだ動きで変動も予想されるが、バリュエーションが過去平均水準にある(割高ではない)ことを踏まえると、調整時は押し目買いの好機となろう。
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$エヌビディア(NVDA.US)$ のジェンスン・フアンCEOは3月18日の「GTC 2024」の基調講演で、1万人以上の聴衆を前に生成AIについて熱く語り世界最強のAI半導体を披露した。その日、エヌビディアの株価は0.7%高にとどまった。
≪エヌビディア特集≫ 「GTC 2024」で示した凄さ、株価反応、関連銘柄
エヌビディアの年次イベント「GTC」(GPU Technology Conference)は、今や世界最大規模のAIと半導体に関するカンファレンスとなっている。過去5年間、「GTC」開催期間中のエヌビディアの株価は、平均して5.7%上昇した。2024年の「GTC」(3月18日~3月21日)では4.1%上昇となった。「世界で最も強力なチップ」を発表したのに、上昇率は過去5年平均を下回った。
なぜ、「GTC」で示した凄さと株価反応にギャップがあったのか?
主な理由は、以下の3つと考えられる。
1)「噂で買って事実で売る」
2)年初からの急騰による利益確定売り圧力
3)FOMCをにらみ、相場全体が様子見ムードだった
★「噂で買って事実で売る」
「GTC 2024」が開催される前に、市場では既にエヌビディアがAI向けの次世代半導体を披露するだろうと報じられていた。したがって、一部の投資家が「噂で買って事実で売る」の投資行動を取った可能性がある。
★年初からの急騰による利益確定売り圧力
エヌビディア株はAIブームを恩恵に2023年に239%上昇し、2024年に入ってからも騰勢を続けた。「GTC」が開催される前の取引日(3月15日)まで、株価は年初から8割上昇していた。やや強すぎるモメンタムや高揚感を受け、スピード調整を予想する声が上がっていた。
≪エヌビディア特集≫ 「GTC 2024」で示した凄さ、株価反応、関連銘柄
★FOMCをにらみ、相場全体が様子見ムードだった
先週はエヌビディアの「GTC」もさることながら、株式市場にとってより重要なイベントがあった。3月19日~3月20日のFOMC(米連邦公開市場委員会、米国の金融政策方針を決める)だ。市場で注目される年内の予想利下げ回数をめぐっては、既に年初の6回から3回に修正されたが、FOMCの発表を控え、市場では様子見ムードが強かった。なお、今回のFOMCは2024年の利下げについて3回という従来予想を据え置いた。いわば無事イベント通過となった。
★エヌビディア株は「GTC 2024」後に上昇、目標株価の引き上げを好感
エヌビディア株は「GTC」開催期間中に4%上昇したが、「GTC」終了の翌日(3月22日)は3%高となった。アナリストによる目標株価の大幅引き上げを好感した。「GTC」後、複数のアナリストがエヌビディアの目標株価を従来の800ドル台から1,000ドル台に上方修正した。
3月27日時点と「GTC 2024」開催前のエヌビディアの目標株価(Bloomberg集計、以下同様)を比較してみると、およそ6%引き上げられた。過去にエヌビディアの目標株価が大幅に引き上げられたのは、いずれも予想を大幅に上回った業績を発表した時だ。その時と比べると今回の引き上げ率はやや低いものの、決算でない一つのイベントとしての引き上げ率で考えると、それなりに高いとも言えよう。
≪エヌビディア特集≫ 「GTC 2024」で示した凄さ、株価反応、関連銘柄
エヌビディア、世界最強のAI半導体で支配的地位を維持する見通し
エヌビディアは「GTC 2024」で、AIスーパーチップの新たなクラスとなる「Blackwellアーキテクチャー」、およびBlackwell搭載の「B200」や「GB200」を発表した。
★「Blackwell」前のAI半導体の業界競争図
AI半導体市場において、エヌビディアが8割以上、次いで $アドバンスト マイクロ デバイシズ(AMD.US)$が数%のシェアを有しているとされている。つまり、エヌビディア1強・AMD追随の構図になっている。現在、世界で最も高性能のAI半導体は、エヌビディアのHopperアーキテクチャーをベースとした主力製品の「H100」だ。2022年にリリースされた「H100」は、生成AI「ChatGPT」が爆発的な人気を得た2022年末より数週間前に量産が始まった。
2023年1月にマイクロソフトが「ChatGPT」を開発したOpenAIに100億ドルを投資すると発表し、生成AIに一段と注目が集まった。それ以降、マイクロソフトを筆頭とするテック大手はAIインフラ向けの設備投資を増やした。その恩恵で「H100」に対する需要は旺盛。「エヌビディアの半導体は麻薬よりも入手困難だ」と $テスラ(TSLA.US)$のイーロン・マスクCEOが発言したほどだ。
★「H100」好調の背後に一部では競争懸念も
「H100」は入手が困難なうえ、高額でもある。それがゆえに、「H100」の主要顧客であるテック大手はエヌビディア以外の製品も求めていた。競合のAMDが2023年に12月にAI向け新製品「MI300」を発表した際、「MI300」を採用する顧客には $マイクロソフト(MSFT.US)$ $オラクル(ORCL.US)$ $メタ プラットフォームズ A(META.US)$が含まれると明かした。当時、AMDの追い上げでエヌビディアが今後、多少シェアを落とす可能性があるかもしれないと危惧する声もあった。
今年2月の決算発表会でエヌビディアは、業績をもって自社の支配的位置は変わっていないと証明した。2023年11月~2024年1月期のデータセンター部門(AI半導体の売上が計上される部門)の売上は前年同期の5倍になり、市場予想を上回った。同社のAI半導体製品は引き続き、好調だった。今回の「GTC 2024」でエヌビディアは、競合の追随を許さない姿勢を一段と鮮明に示した
★Blackwell:「世界で最も強力なチップ」
Blackwellについてエヌビディアは、3月18日のリリース資料で「世界で最も強力なチップ」と紹介した。同時に、「生成AIは、現代を定義するテクノロジだ。Blackwellは、この新しい産業革命を後押しするエンジンだ」と説明した。
≪エヌビディア特集≫ 「GTC 2024」で示した凄さ、株価反応、関連銘柄
★Blackwell搭載の「B200」、「GB200」
「B200」は、1つパッケージ内に2つのシリコンダイを搭載したGPU(画像処理装置)で、現在の主力製品「H100」の後継製品になるとされている。世界で最も強力なチップBlackwellの搭載でその性能は「H100」よりさらに強化された。
「GB200」は巨大なスーパーチップとして、BlackwellのGPUに加えてCPU(中央処理装置)を搭載したものだ。エヌビディアはリリース資料で、「GB200」は「H100」に比べてLLM(大規模言語モデル)推論では30倍、LLMトレーニングでは4倍の性能向上となり、電力効率は25倍になると説明した。
≪エヌビディア特集≫ 「GTC 2024」で示した凄さ、株価反応、関連銘柄
★Blackwell製品は、今年後半から提供
エヌビディアのリリース資料によれば、Blackwell搭載の製品は今年後半から提供される予定だ。AI半導体でエヌビディアの主要顧客の1社であるメタのスポークスマンは3月19日に、今年後半にはエヌビディアの最新半導体「B200」を受け取れるだろうとコメントした(ロイター通信)。
★Blackwell製品の顧客など
エヌビディアは、 $アマゾン ドット コム(AMZN.US)$ 傘下のAWS、 $アルファベット A(GOOGL.US)$ 傘下のGoogle Cloud、 $マイクロソフト(MSFT.US)$の Microsoft Azure、 $オラクル(ORCL.US)$ のOracle Cloud Infrastructureの4大クラウドサービス・プロバイダーが、Blackwellを利用したインスタンスを提供する最初のクラウドサービス・プロバイダーになると紹介した。
同時に $シスコ システムズ(CSCO.US)$ $デル テクノロジーズ C(DELL.US)$ $ヒューレットパッカード エンタープライズ(HPE.US)$ 、Lenovo、 $スーパー マイクロ コンピューター(SMCI.US)$、Aivres、ASRock Rack、ASUS、Eviden、Foxconn、GIGABYTE、Inventec、Pegatron、QCT、Wistron、Wiwynn、ZT Systemsは、Blackwell製品をベースにした幅広いサーバーを提供する予定だという。
さらに、エンジニアリングシミュレーションの世界的リーダーである $アンシス(ANSS.US)$ $ケイデンス デザイン システムズ(CDNS.US)$ $シノプシス(SNPS.US)$などのソフトウェアメーカーのネットワークは、Blackwellベースのプロセッサを使用して、電気、機械、製造システムおよび部品の設計とシミュレーションのためのソフトウェアを高速化するだろうという。
支配的地位維持で、業績拡大続くか
「B200」をはじめとするBlackwell搭載の製品は、今年後半にテック大手などへ提供される予定だ。よって、業績への貢献は2025年から(2026年1月期、エヌビディアは1月決算)となるだろう。テック大手のAIへの設備投資が続いていることを踏まえると、エヌビディアの業績拡大は続くと見込まれる。
株価は急騰による利益確定売り圧力や期末のポジション調整、1,000ドルの大台をにらんだ動きで変動も予想されるが、バリュエーションが過去平均水準にある(割高ではない)ことを踏まえると、調整時は押し目買いの好機となろう。
≪エヌビディア特集≫ 「GTC 2024」で示した凄さ、株価反応、関連銘柄
2024年3月27日作成 マーケット・アナリスト Amelia
出所:会社資料、Bloombergおよび各種資料によりmoomoo証券作成
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免責事項:このコンテンツは、Moomoo Technologies Incが情報交換及び教育目的でのみ提供するものです。 さらに詳しい情報
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