「米利下げトレード」第3弾！景気耐久期待で生活必需品株へ投資のチャンスを掴め！

ジャクソンホールで開かれている年次シンポジウムでパウエル議長は「インフレ率が（物価目標の）２％への持続的な道筋をたどっているという確信を深めた。政策を調整する時が来た」と述べていた。その発言により、市場は来月の米連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ）での利下げ開始を確信した。

米連邦準備制度理事会（FRB）の金融政策が「引き締めから緩和へ」。世界中の中央銀行が利下げに踏み切り、金融緩和を開始する新たなサイクルが迫っている今、どの資産に投資妙味が高まっているのだろうか。

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経済環境の先行き不安が拭えないなか、株式投資家は景気失速への耐久力が期待される銘柄群に資金を移している。

ゴールドマンサックスが年初公表したレポートによると、利下げ開始時点でパフォーマンスの良かった市場セクター2番目は「生活必需品」セクターとなった。同セクターは景気変動の影響を受けにくく、業績が安定している「ディフェンシブセクター」として伝統的に位置付けられている。

米国小売り大手の今四半期業績を見ると、低価格帯商品の販売が伸び、消費者は支出に慎重になっていることが分かった。小売り大手の $ウォルマート (WMT.US)$が15日発表した24年5～7月期の売上高は前年同期比5%増の1693億ドルと市場予想を上回り、通期の業績見通しも引き上げた。同社幹部は、需要に衰えの兆しは見られないとしている。

S&P500の生活必需品セクターは8月以来6%上昇し、年初来16%上昇した。

米利下げ期待で注目に値する生活必需品株
$生活必需品セレクト・セクター SPDR ファンド (XLP.US)$は年初来16％近く上昇し、歴史最高値を更新した。同セクター全体で今年好調なパフォーマンスを見せた。

生活必需品セクターでは、小売り大手の $ウォルマート (WMT.US)$、 $コストコ・ホールセール (COST.US)$、たばこ大手の $アルトリア・グループ (MO.US)$、 $フィリップ・モリス・インターナショナル (PM.US)$、英消費財大手の $ユニリーバ (UL.US)$、米消費財大手の $コルゲート・パルモリーブ (CL.US)$、飲料大手の $コカコーラ (KO.US)$、米日用品大手の $キンバリークラーク (KMB.US)$、 $プロクター・アンド・ギャンブル (PG.US)$ は今年軒並み歴史最高値を更新し、17％－46％の年初来上昇率を記録した。

生活必需品株の他、同セクターの関連ETFも注目に値する。目前米株市場で資産規模の最も大きな生活必需品ETF上位5銘柄は、 $生活必需品セレクト・セクター SPDR ファンド (XLP.US)$、 $バンガード・米国生活必需品セクターETF (VDC.US)$、 $iシェアーズ ヨーロッパ ETF (IEV.US)$、 $Ishares U.S. Consumer Goods Etf (IYK.US)$、 $Fidelity Covington Trust Msci Consumer Staples Index Etf (FSTA.US)$となっており、年初来11%-16%の上昇を見せた。

利下げサイクルで生活必需品株の投資魅力とは？
生活必需品とは、生活に欠かせない飲食料、医薬品、衣料品、日用品などのことで、人々の生活を支えている。経済状況にかかわらず、人々はこれらの分野での支出を減らすことは少ない。投資という点では、生活必需品セクターは金融やヘルスケア・セクターと同様、ディフェンシブな資産であり、下落に対する耐性が高い。

さらに、利下げの開始は生活必需品株にとって好材料となる。理由は以下の通り。

●コストの削減
利下げにより、企業は資金調達コストを引き下げ、生産・運営における企業の財務的プレッシャーを軽減し、利益率を押し上げることが可能。

●需要の成長
低金利環境は消費を促進し、消費者の可処分所得が増える。これは、飲食料、他の基本的必需品など、必要不可欠な消費財を提供する企業に対する需要が安定しているか、あるいは伸びることを意味する。

●ドル安の影響
利下げによってドル安が進めば、対米輸出商品の価格が上昇する可能性がある。その結果、不安定な経済状況でも安定したリターンが得られる米国の生活必需品セクターへの投資を呼び込む可能性もある。