「マグニフィセント7」、"マジック7"へ　米株「マグ7」の最新決算を徹底分析!

この決算シーズンが終わりに近づくにつれ、 $マイクロソフト(MSFT.US)$ 、 $アップル(AAPL.US)$ 、 $エヌビディア(NVDA.US)$ 、 $アルファベット C(GOOG.US)$ 、 $アマゾン ドット コム(AMZN.US)$ 、 $メタ プラットフォームズ A(META.US)$ 、 $テスラ(TSLA.US)$を含む「マグニフィセント7（壮大な7銘柄）」と呼ばれる7つのビッグテックも、それぞれの第1四半期決算報告を発表した。

各社の事業を詳しく見てみると、ビッグテックの事業に占めるクラウド・サービスとAIの割合が高まっていることが明らかになった。また、各社のAIに対する実力や投入が、各社の業績や収益に影響を与えるようになってきており、株価の動向もある程度左右されるようになってきている。

人工知能（artificial intelligence、AI）は徐々に " ストーリー " から " 新しいエンジン " に進化しつつあり、ビッグテックの業績拡大と株価のトレンドを本格的に牽引している。 「AIのマジック」は、現実になりつつある。

全体的に見ると、 $エヌビディア(NVDA.US)$ 、 $マイクロソフト(MSFT.US)$ 、 $アルファベット C(GOOG.US)$ 、 $メタ プラットフォームズ A(META.US)$ 、 $アマゾン ドット コム(AMZN.US)$ は好調で、売上高、純利益、その他の業績指標は前年同期比で上昇し、市場予想を上回っている。

一方、テスラの業績は不振で、世界的な売上高と純利益はともに減少し、フリーキャッシュフローも「経営危機」の様相を呈した。

AI、ビッグテックの増収増益のマジック
クラウド・コンピューティングのリーダーであるマイクロソフト、グーグル、アマゾンの事業成長を牽引しているのは、生成AIによるツールやサービスに対する需要であることが、各社の決算で明らかになった。クラウド事業を展開していないメタも、AIによって広告収入が大幅に伸びた。

● $アマゾン ドット コム(AMZN.US)$ のアマゾン・クラウド・サービス（AWS）の売上高は17％増の250億ドルだった。 アマゾンの社長兼CEOであるAndy Jassy氏は決算報告で、AWSの成長はインフラのモダナイゼーションとAI機能の強化によって牽引されたと指摘した。
● $マイクロソフト(MSFT.US)$のクラウド事業の売上高は350億ドルを超え、前年比23％増となった。 中でもAzureとその他のクラウド・サービスの売上は31％増で、AIサービスが7ポイントの成長に貢献した。
● $アルファベット A(GOOGL.US)$クラウドの売上高は、グーグル・ワークスペース製品ラインの好調な業績に牽引され、前年同期比約28％増の95億7000万ドルとなった。
$アルファベット C(GOOG.US)$最高経営責任者（CEO）は、検索、YouTube、クラウド・コンピューティングの好調を指摘した。 AI研究、インフラストラクチャー、世界的な製品の広範なカバレッジにおいてリーダーシップを発揮しているグーグルは、AIの次の波に対して有利な立場にあると期待されているとも述べた。
● $メタ プラットフォームズ A(META.US)$社の収益のほぼすべて（98％）はデジタル広告事業によるもので、AIはこの事業で達成された成長の重要な原動力となっている。メタ社は決算報告の中で、最新のAIモデルであるLlama 3がMeta AIに統合されたと表明しており、このAIはまず英語圏で展開され、今後数カ月でさらに多くの言語と国に拡大される見込みであるとしている。

AI時代の"軍備拡張競争"は加速
ビッグテックに端を発したAIの波から今日に至るまで、各社の市場パフォーマンスには明らかな乖離が見られる。エヌビディア、メタ、マイクロソフト、アマゾンは、第1四半期に株価が急上昇し、市場をアウトパフォームした。

また、市場パフォーマンスを凌駕したビッグテックのかなでも、競争が激化している。調査によると、マイクロソフトとアマゾンは、世界中のAI関連プロジェクトやデータセンター・プロジェクトに合計400億ドル以上を投資している。さらに、当四半期、他のビッグテックは設備投資を拡大し、通年の設備投資ガイダンスを引き上げた。

Bernsteinは、アマゾン、マイクロソフト、グーグル、メタ、アップルのビッグテック5社の設備投資の合計は今後5年間で1兆ドルを超え、その大半がAIチップとデータセンターに投資されると予想している。

また、同行は、前述のビッグテック5社の今年だけの設備投資額を合計すると、2000億ドル規模になると推定している。 過去、ビッグテックの設備投資は、不動産、サーバー、ネットワーク機器などの固定資産への投資が大半を占めていたが、生成AI市場の急速な成長に伴い、ビッグテックの投資対象はAI関連設備にシフトしている。