米国市場の展望：米雇用市場は転換点にある＝GS　ダウ平均は1.02ドル高でスタート

Moomooユーザーの皆様、こんばんは！今晩のＮＹ株の読み筋です。

市場概況
米国市場スタート、優良株で構成するダウ工業株30種平均は1.02ドル高の38779.12ドル、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数が0.26ポイント安の17856.76で始まった。米国大型株である500社の銘柄で構成するS＆P500種平均は2.92ポイント高の5476.15。

米5月小売売上高は総合、コアともに市場予想を下回る
米商務省が発表する5月の米小売売上高は前月比0.1%増、市場予想の0.3%増を下回り、前期の0.2%減を上回った（前期が0%から0.2%減に下方修正）。前年比では2.3％増。

株価の上昇
●米国の大手ハイテク企業の上昇により、ウォール街は再び過去最高値を更新した。
●ブルームバーグがまとめたデータによると、S＆P500種株価指数の上昇の4分の3近くを大手ハイテク企業が占めており、 $エヌビディア(NVDA.US)$ だけでも上昇の34％を占めている。
●米国債は、210億ドルを超える高格付け社債の売り越しが相次いだ月曜日に下落した後、堅調に推移した。

前シカゴ連銀総裁、9月利下げの可能性を指摘
●米シカゴ地区連銀前総裁のチャールズ・エバンス氏は17日、連邦準備制度理事会（FRB）が9月に利下げを行う可能性があるとの見方を示した。
●エバンス氏はマーケットウォッチのインタビューで、「データが改善すれば、9月もあり得るだろう」と話した。

さらなる上昇が予想
●バンク・オブ・アメリカの調査によると、米国株が最高値を更新するなか、世界の投資家は市場に資金を投入し続ける可能性が高い。
●この世論調査（運用資産総額6,400億ドル、参加者数206名）では、投資家は2021年11月以降で最も強気な姿勢を維持しており、いわゆるマグニフィセント・セブンと呼ばれるハイテク大企業へのロング・ベットは69％に達している。

ゴールドマンの警告
●より軟調なデータといえば、ゴールドマン・サックスのエコノミストは、アメリカの労働市場は「転換点」に立っており、労働者の需要がさらに軟調になれば、求人だけでなく雇用にも打撃を与えるだろうと述べている。
●結局、労働需要の主要な原動力は経済活動であり、GDP成長率は著しく鈍化している。そのため、連邦準備制度理事会（FRB）が先週「驚くほどタカ派的」な見通しを示したにもかかわらず、「（9月と12月に）2回の利下げを行うという予想には好感が持てる」と、アナリストたちは述べている。

エヌビディアはさらに21％上昇可能？
●最近発表されたレポートの中で、サスクワッチ・ハンナ・バンクのアナリスト、Chris Rolland氏は、 $エヌビディア(NVDA.US)$ の目標株価を145ドルから160ドルに引き上げた。新たな目標株価は、先週金曜日の終値から21％の上昇を意味し、予想PERは51.5倍となる。
●Rolland 氏は、このバリュエーションは同業他社平均の約28.5倍を大きく上回っているが、エヌビディアは急成長するマーケットの機会を捉えることが可能であるため、妥当なバリュエーションだと考えていると述べた。

ドルが高値に迫る
●ドルは、米国債利回りの上昇と欧州の政情不安から逃避しようとする投資家が世界の基軸通貨に殺到しているため、2024年の最高値を更新しそうな勢いとなっている。
●ブルームバーグ・ドル・スポット指数は11月の水準まであと一歩のところまで迫っており、対米通貨ヘッジに支払われるプレミアムは1年以上ぶりの高水準に上昇している。