猛烈上昇トレンドの「推し活」関連3銘柄！SNSで消費加速、海外投資家も高収益・不況耐性に熱視線！

自分が「イチオシ」するアニメキャラクターやアイドル、作品などのグッズやコンテンツを購入したり、関連場所への”聖地巡礼”に出かけたりする「推し活」消費が拡大している。かつては「オタ活（オタク活動）」と呼ばれた文化だが、「推し」という言葉の響きのポジティブが支持され、アイデンティティを表現する重要な行動として広がっている。SNSやネットを通じて情報交換が盛り上がる環境も消費を加速させている。
推し活関連事業は、消費者が原価を問わず、価値を感じれば価格が青天井で上昇する収益率の高さや、生活コストを削ってでも優先されやすい不況耐性が特長だ。博報堂による「オシノミクスレポート」によると、23年度の関連市場規模は国内で約8000億円にのぼる。ゲーム、映画、音楽、アニメ配信など幅広いエンタメ分野の推し活需要をしっかりつかみ、効率的に資金を活用して利益を生んでいる高ROE（自己資本利益率）の関連銘柄をピックアップ。世界的に知名度の高い銘柄や海外投資家から資金調達する銘柄が浮かび上がった。

チャートが強い上昇トレンドを示す「パーフェクトオーダー」となっている推し活関連２銘柄は？
パーフェクトオーダーとは、上から短期線、中期線、長期線の順番に全てのラインが上向きとなるチャート形状で、強い上昇トレンドを示す。日足では、 $サンリオ (8136.JP)$と $ハピネット (7552.JP)$、 $GENDA (9166.JP)$がほぼ該当する。大きなプロジェクターなどで臨場感を高めた「推し活ルーム」を提供する $ラウンドワン (4680.JP)$もパーフェクトオーダーとなっている。

◆ $サンリオ (8136.JP)$
ハローキティ等キャラクター商品の企画販売、ライセンス事業、テーマパークを展開。時価総額は今年１兆円を超えた。アイドルの写真ホルダーなどの推し活グッズ販売に5年前から力を入れてきた。今年2月、コミュニティ機能を充実させた推し活アプリ「おしきゅん」もリリース。ライセンス事業は、北米や中国で伸長。国内物販のインバウンド比率はコロナ前を超え、過去最高となった。海外売上に占めるハローキティの構成比を低下させたことで、コロナ前に比べてボラティリティに強い体質に生まれ変わっている。そ25年3月期連結売上高は前期比19.3％増の1193億円、純利益は63.2％増の287億円を見込む。増配、長期保有株主への優待追加も。
▼営業利益率はコロナ禍を底としてV字回復し、前期は27％に！

◆ $ハピネット (7552.JP)$
玩具卸。アミューズメント施設用商品やビデオゲームなども手掛ける。バンダイナムコグループ。採算の良いトレカ（トレーディングカード）売上が想定を上回る。特にポケモンやONEPIECEのトレカが好調だ。トレカとは、コレクションや交換などを目的として作られ、キャラクターのイラストなどが印刷されているカードのこと。推し活用「痛バッグ」（「推し」の缶バッジやぬいぐるみで装飾するためのバッグ）や推しの写真を付けることができるライブイベント用ペンライトなどを販売。カプセル玩具もインバウンド向けに好調。25年3月期連結売上高は前期比5.8％減の3300億円、純利益は24％減の50億円。有利子負債ゼロ。

◆ $GENDA (9166.JP)$
23年7月東証グロース上場。コロナ禍中にゲームセンターのセガエンタテイメントを買収し、店舗を「SEGA」から「GiGO（ギーゴ）」ブランドに衣替えした。クリエイター発掘などでキャラクター強化。独自のキャラクター景品でクレーンゲームが人気に。推し活専門ショップ「fanfancy+with GiGO」を台湾などにも出店。IPコンテンツ、カラオケや飲食といったエンタメプラットフォームのM＆Aをスピーディーに積み重ねて成長している。代表取締役社長の申真衣氏はゴールドマン・サックス出身で人気のファッションモデルでもあったことから、メディアを通じての発信に長けており、知名度も高い。今期はカラオケ機器の音通、若者に人気のパーティードリンク「クライナーファイグリング」のシトラム社などを買収。今夏はM＆A待機資金として海外機関投資家への新株発行で約100億円を調達した。成長性の高さを見込み、新株への強い需要があったようだ。25年1月期連結売上高は前期比97.5％増の1100億円、純利益は2.9％増の43億円を見込む。（新規に7社連結）

▼M＆Aによる急成長でEPS（1株当たり純利益）の大幅上昇が予想されている（ブルームバーグ）

★調整終了？再上昇中の2銘柄
◆ $パルグループホールディングス (2726.JP)$
「チャオパニック」など若年女性衣料で約50ブランドを展開する。330円の雑貨をそろえた「3COINS」が好調。既存の100円ショップよりファッション性を高め、流行に沿った雑貨を販売する。推し活で使うカード入れ、うちわカバー、ポーチやファイルなどがヒットした。EC（オンライン販売）に強いのが特長で、24年2月期のEC売上比率は25.1％と、15％程度のファーストリテイリングと比べてもEC販売が好調だ。また、多くのSNSフォロワーをもつ販売スタッフがいることも強みになっており、実際に着てSNSで紹介するなどしていることも売上拡大の原動力になっている。25年2月期連結売上高は前期比5.7％増の2035億円、純利益は0.7％増の129億円を見込む。株価は7月半ばを底に円高進行を受けてV字回復基調に転換。

◆ $トランザクション (7818.JP)$
雑貨の企画販売を手掛ける。ゲーム、アニメ、スポーツ、音楽などのライブ、イベント向け物販品が好調。国内自社工場での内製化率向上や値上げで原材料費高止まりを吸収している。推し活物販品で好まれる全面フルカラー印刷が可能な製品を拡充中。推し活グッズ専門のECサイトも展開、小ロット単能機対応で顧客ニーズ獲得を狙っている。連続最高純利益を更新。24年8月期連結売上高は前期比9.6％増の251億円、純利益は5.9％増の35億円を見込む。上場以来13期連続の増配予想。株価は7月12日安値を底として切り上げ中だ。