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混迷セブンに減速イオン、揺れるスーパー業界“新王者”候補5銘柄!物価高で光るディスカウント業態【決算まとめ】

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ビットバレー投資家 コラムを発表しました · 10/11 03:35
カナダのコンビニ大手から買収提案を受けている小売最大手の $セブン&アイ・ホールディングス (3382.JP)$が10日、イトーヨーカ堂など非コンビニ事業の分離を発表するなど、スーパーマーケット業界が揺れている。総合スーパーではセブンを凌ぐ $イオン (8267.JP)$も、25年2月期中間(3-8月)決算で2ケタ減益となり勢いにブレーキがかかった。
そんな大手2社を尻目に、業績、株価ともに躍進する企業がある。多くはディスカウント業態で、物価が上昇する中で高まる消費者の節約志向にマッチしたとみられる。大手2社と、躍進中の5社の直近の決算を分析し、スーパーマーケット業界に”新王者”が出現するのか考察する。
スーパー業界の“新王者”候補5銘柄
今回紹介するのは、セブン&アイ、イオンの他に、 $パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス (7532.JP)$ $トライアルホールディングス (141A.JP)$ $ヤオコー (8279.JP)$ $大黒天物産 (2791.JP)$ $Genky DrugStores (9267.JP)$の5銘柄。いずれも期中に株価が最高値を更新しており、業績も好調だ。ヤオコーを除く4社が、ディスカウント業態を主力とする。
▲スーパーマーケット7銘柄の直近の株価パフォーマンス
▲スーパーマーケット7銘柄の直近の株価パフォーマンス
分析する上での注目ポイントは、次の3つ。
1.増収増益基調(成長力)
2.営業利益率(稼ぐ力)
3.既存店売上高(前年同月比)(持続性)
それぞれの注目ポイントの詳細や理由は、非食品の小売の決算まとめ「“最強”小売はニトリでもファストリでもない?!上値追い5銘柄、営業利益率や既存店売上高で徹底比較!【決算まとめ】」を参照。
▲スーパーマーケット7銘柄の直近の業績
▲スーパーマーケット7銘柄の直近の業績
1.増収増益基調
7銘柄とも前期までは好調だったが、25年2月期に入ってセブン&アイイオン最大手2社が減速した。
セブン&アイは23年に売却済みの百貨店事業など非主力事業の影響もあって売上高は年度によって増減しているが、営業利益は24年2月期まで3期連続増益、2期連続で最高益だった。だが、25年2月期中間(3-8月)決算では売上高は伸びたものの利益は2ケタ減となり、通期見通しを2ケタ減益に下方修正(売上高は上方修正)している。海外のコンビニ事業の営業利益が米国のインフレに伴う中低所得者層の消費の落ち込みなどの影響で前年同期比35%の大幅減となったほか、主力の国内コンビニ事業も振るわず7.8%の減益となった。イトーヨーカ堂などのスーパー事業も20%超の減益となっている。
イオンも24年2月期は3期連続の増収増益となり、過去最高の売上、利益を達成していた。25年2月期中間決算では、セブン&アイと同様に営業利益が2ケタ減。物価高に伴い販管費が増加する一方で、価格戦略を強化して粗利益率が低下したことが要因となった。ただ、通期見通しは売上高10兆円、営業利益2700億円の増収増益の見込みを維持している。
連続増収増益では、ドン・キホーテなどを運営するパン・パシHDヤオコーが“双璧”だ。それぞれ24年6月期、24年3月期に、35期連続の増収増益(パン・パシHDは営業利益)という金字塔を打ち立てている。
パン・パシHD24年6月期に、目標を1年前倒しして国内小売5社目となる売上高2兆円を突破。純利益は初の800億円超えとなった。25年6月期も売上高と営業利益は増収増益を見込んでいる
ヤオコー25年3月期第1四半期(4-6月)決算でも売上高と営業利益が2ケタ増となっており、通期でも増収増益、売上高は初の7000億円超えを見込んでいる
トライアルHD大黒天物産20期以上増収を続けているトライアルHD5期連続で最高益を更新中。25年6月期は2ケタの増収増益を見込んでおり、売上高は初の8000億円超を計画している。
大黒天物産過去最高益だった24年5月期に続き、25年5月も増収増益を見込んでいる。第1四半期(6-8月)も利益が2ケタ増の増収増益で推移した。
Genky24年6月期に利益が2ケタ増の増収増益となり、2期連続の過去最高益を達成。25年6月期も利益は2ケタ増の増収増益を見込んでいる。同社はドラッグストアが源流だが、今では食品の売り上げが7割程度を占めるディスカウントチェーン。現時点での展開エリアは愛知、岐阜、福井、石川、滋賀の5県にとどまっている。
2.営業利益率
セブン&アイイオンは金融などスーパー以外の事業も多く含むため、必ずしも小売事業の実態を正確に表しているわけではないが、営業利益率の低下が業績悪化に直結したといえる。セブン&アイは1.25ポイントの大幅低下、イオンの営業利益率は2%割れとなった。セブン&アイは百貨店の売却が完了したこともあり、販管費比率が大きく低下したが、営業収入が前年同期割れするとともに、粗利益率も落ち込んだ。
粗利益率が最も高いのは、「驚安の殿堂」ドン・キホーテを展開するパン・パシHD。プライベートブランドやOEM商品の拡大、在庫適正化による回転率改善でタイムリーな商品を提供することで収益性を高めた。売上増加に伴い販管費率も低下している。
パン・パシHDに次いで営業利益率が高いのが、大手2社を除く5社で唯一ディスカウント業態を主力としないヤオコー。粗利益率と販管費比率の差は小さいが、「営業収入」を242億円計上しており、6%近い営業利益率を実現している。粗利益率を0.3ポイント下げてディスカウントチェーンとそん色ない23%台に落としており、価格競争力も強めている。同社は販管費比率の低下も実現した。2017年にディスカウントスーパーを買収して以降、ディスカウント業態店も展開しており、ローコストオペレーションの効果が出始めているようだ。
販管費比率の低さでは、Genkyが際立っている。24年6月期は前年度より1ポイント下げ、15%台半ばまで低下した。店舗展開エリアが狭いことも、販管費の抑制につながっているとみられる。同社は「2040年に1万店舗」を目標に、完全標準化と単純化の徹底で年間1000店の高速出店を行う体制づくりを進めている。今後、多店舗展開と販管費の抑制をどう両立させるかが成長のポイントになりそうだ。
トライアルHD粗利益率は0.65ポイント上昇したものの、20%に達していない。その分、営業利益率も2%台と低いが、いまを“勝負時”とみて、価格競争力の強さを前面に押し出す姿勢が読み取れる。
粗利益率と販管費比率のバランスが最も取れているのは大黒天物産だ。販管費比率を微減させる一方で粗利益率を0.65ポイント高め、営業利益率を3%台半ばに乗せた。得意のローコストオペレーションで販管費比率を20%以下で維持し続けられれば、近隣の競合店との価格競争にも柔軟に対応できるだろう。
3.既存店売上高
▲スーパーマーケット7銘柄の既存店売上高
▲スーパーマーケット7銘柄の既存店売上高
セブン&アイの主力事業である国内コンビニの既存店売上高前年同月割れは、同社の混迷を象徴している。特に客数の減少は同社も問題視しており、25年2月期中間決算説明資料では、「来店頻度向上」「新規顧客の獲得」を重要課題に挙げている。
直近の既存店売上高で際立っているのが“双璧”のパン・パシHDヤオコーだが、その要因は大きな違いがある。パン・パシHD客単価の向上が大きく寄与しているのに対し、ヤオコー客数の増加が牽引している。ヤオコーはファンを増やすことで、先々の成長基盤を拡大しているともいえる。パン・パシHDは22年6月から28カ月、ヤオコーは22年10月から24カ月、それぞれ既存店売上高が前年同月比プラスを続けており、“新王者”と呼べるほどの強さをみせている
既存店売上高プラスの継続期間では、トライアルHDが他社を圧倒している。24年9月まで40カ月連続で既存店売上高が前年同月を上回っているGenky23年3月から1年以上既存店がプラスで推移している。直近の客数の伸びではパン・パシHDを上回っており、高速多店舗展開に向けた潜在能力の高さを示している
大黒天物産は既存店売上高を公表していない。
まとめ:パン・パシHDが”新王者”の本命、ヤオコーやトライアルHDが対抗
物価高で加速した、食品などコモディティ商品に対する消費者の節約志向は、人口減少やスーパーの店舗過剰も相まって、今後も高まることはあっても低下することはないとみられる。その点では、ディスカウント業態の強みが今後は一層際立つことになりそうだ。
$セブン&アイ・ホールディングス (3382.JP)$ $イオン (8267.JP)$の2強の減速は、その端緒と見ることもできる。現時点では、「驚安の殿堂」 $パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス (7532.JP)$が規模ではリードしているが、いまやコスト管理能力はディスカウント業態並みの $ヤオコー (8279.JP)$や、今後のローコストオペレーションのカギとなる「リテールテック」に強みを持つ $トライアルホールディングス (141A.JP)$も好位置に付けている。
とはいえ、 $大黒天物産 (2791.JP)$ $Genky DrugStores (9267.JP)$といった「後発組」も破竹の勢いで業績を伸ばしており、勢力図を塗り替える余地は大きい。オーガニックな自社だけでの成長でなく、イオンが得意とするM&Aを活かした規模拡大ができるかどうかも、“新王者”を決める重要な要素になりそうだ。
ーmoomooニュースMark
出所:各社HP、moomoo
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