【決算プレビュー】アマゾン、決算発表迫る！AWSと小売事業の成長に注目、株主還元の行方は？

$アマゾン ドット コム(AMZN.US)$は、日本時間8月2日に24年Q2（4-6月）決算を発表予定。市場予想では、アマゾンの第2四半期の売上高は前年比10.58%増の1485.95億ドル、1株当たり利益は前年比57.63%増の1.02ドルになる。第2四半期決算に向け、投資家は主に小売事業とAWS（Amazon Web Services）事業に注目するだろう。さらに、投資家はアマゾンの手元資金が株主還元の強化に使われるかどうかにも注目している。

アマゾンの主な利益推進力であるAWS事業は、引き続き投資家の注目を集めていく。アマゾンは企業向けクラウド・サービスのプロバイダーとしては圧倒的な規模を誇るが、 $マイクロソフト(MSFT.US)$・アジュールやグーグル・クラウド・プラットフォームといった競合他社も、より多くの市場シェアを獲得するために人工知能サービスの追加を競っている。このため、アマゾンの第2四半期決算では、AWSの成長率が投資家から注目を集めている。

ブルームバーグの予想によると、アマゾンのAWS事業の2024年第2四半期の売上高は前年比17.32％増の259.75億ドル。モルガン・スタンレーは、アマゾンのAWS売上高が前年比で少なくとも18％増加する必要があると見ており、これにより、AWSの生成AIの地位を投資家の心に定着させるとともに、大規模な資本支出が行われる時期に高い成長率を投資家に示すことができるとしている。

最近のデータ動向は、アマゾンが第2四半期に好調な業績を上げることを示唆している。BofAとBloomberg Second Measureの集計カードデータの分析では、オンライン支出が予想以上に加速していることが明らかになった。これは、オンライン小売支出が大幅に減少するという一部のアナリストの予測に反している。消費の加速は、持続的な消費者信頼と堅調なオンライン・ショッピング習慣を反映し、アマゾンの小売部門に利益をもたらす可能性が高い。

アマゾンは夏の「Prime Day」セールイベントを終了し、速報によれば、大成功だったようだ。実際、Adobe Analyticsのデータによれば、7月のプライムデーのオンライン売上高は、昨夏から11％増の142億ドルとなり、アナリストの予測を上回った。アマゾンによると、今回のPrime Dayは過去最大のショッピング・イベントであり、2日間のイベント期間中に販売された商品は過去のどのPrime Dayよりも多く、過去最高の売上高を記録したという。 Adobeによると、この記録的な売上高は、主に新学期準備の買い物と、消費者がタブレットやテレビなどの新しい電子機器を購入したことによる「製品のリフレッシュサイクル」によるものだという。Adobeは、この夏のPrime Dayで消費者が1回の注文に費やした金額は、1年前の平均54.05ドルから57.97ドルに増えたと指摘している。

このような成長速度と電子商取引分野での市場シェアの拡大により、JPモルガンは先月、アマゾンは今年中にウォルマートを抜いて米国最大の小売業者になるだろうと予測した。決算発表後の決算説明会では、トレーダーはアマゾンのPrime Dayイベントによる業績への影響についての情報を探るだろう。これは第3四半期の業績ガイダンスに含まれるかもしれない。

アマゾン広告は目覚ましい成長を見せており、第1四半期の収益は前年比で24%も急増した。スポンサード広告が大きな推進力であることに変わりはないが、最近Prime Videoに広告が導入されたことは、今後数年間にわたって大きな成長チャンスを提供するものと見られる。

アナリストによれば、Prime Videoでの広告展開が進むにつれて、アマゾンの広告収入は今四半期と今年の下半期に伸びる可能性が高いという。Wedbushのアナリストによると、最近の調査では、アマゾンに広告を出している広告主の87％が第2四半期に昨年より広告支出を増やしたと回答し、91%が第3四半期に広告支出を増やす予定だと答えたという。

ブルームバーグがまとめたデータによると、23年末時点でアマゾンの手元資金は860億ドル余り。昨年は322億ドルのフリーキャッシュフローを生み出しており、今年は612億ドルに増えると予想されている。アマゾンは今年、手元資金が1000億ドルを超えると予想されており、他の超大型ハイテク株に続き、株主還元を手厚くする機が熟していると言えそうだ。

アマゾンの広報担当者は、ブライアン・オルサフスキー最高財務責任者（ＣＦＯ）が前四半期の決算説明会で、株主還元よりも設備投資と債務返済を優先し続けると述べたことに言及した。しかし、アマゾンのフリーキャッシュフローは今年、倍近くに膨らむと見込まれており、同社が株主還元の強化に着手することができるとの見方は多い。

アマゾンは株主還元について、第2四半期決算ではなくても、今後数四半期には発表するだろうと予想されている。Ami Asset Managementのポートフォリオマネジャー、Andrew Zamfotis氏は「配当開始は不可避かもしれない。またアマゾンが支出や収益性改善にとのシグナルにもなるだろう」と指摘。「アマゾンには明らかにその財務的な余裕がある。業績が好調な時でさえ株主還元に消極的であったため、同業他社に追随して配当を開始したり、自社株買いのペースを引き上げたりすれば、非常に意義あることだ」と述べた。

第2四半期の見通しは明るいものの、第3四半期の利益ガイダンスについて、過度な期待と輸送コストの上昇が潜在的なリスクとなり、警戒が必要であるとBofAのPost氏は警告している。

歴史的に、アマゾンの第3四半期ガイダンスは保守的な傾向があり、多くの場合、ウォール街の予測を下回るが、過去3年間で平均33%の上振れを見せている。Postは、第3四半期の売上高ガイダンスを1,555億ドルから1,605億ドルの範囲と予想し、前四半期比5％の成長を示唆。また、GAAPベースの営業利益は120億ドルから155億ドルの範囲となる見込みだ。

Market Chameleonによると、過去12回の四半期決算発表日に、アマゾン株価の下落確率は約50%、平均株価変動率は±7.7%、最大下落幅は-14.0%、最大上昇幅は+13.5%。