医薬品株が強い!暴落乗り越え上昇の5銘柄 ディフェンシブ選好で見直し買いも
株式市場のボラティリティが高まり始めた7月以降、ディフェンシブ性が高いとされる医薬品セクターが強含んでいる。TOPIX(東証株価指数)は7月11日に高値を付けて以降、米景気懸念からの売りや8月初頭の暴落を経て現在(30日)までに7%下落した。一方、TOPIXをセクター別にした医薬品指数は4%上昇し、さらに上値を追っている。7月まで好調だった半導体関連銘柄を多く含む機械指数(14%下落)、銀行業指数(13%下落)に比べても大きくアウトパフォームしている。医薬品セクターは暴落相場や景気後退局面で選好されやすい。8月暴落のショックや景気不安が落ち着けば反動で下落するとの見方もあるが、ブルームバーグの市場関係者への取材では「医薬品株に対する投資人気は少なくとも半年程度は続きそうだと予想」(8月26日記事)する向きもあるようだ。7月以降の医薬品指数の上昇をけん引してきた銘柄のトピックを確認した。
医薬品指数(黄線)は7月中盤からTOPIX(白線)や機械指数(青)をアウトパフォーム
医薬品指数の上昇に大きく寄与した銘柄は?
(7月11日から8月30日の上昇率)
肥満薬関連の $中外製薬 (4519.JP)$(16%)や好業績の $大塚ホールディングス (4578.JP)$(19%)は中長期の上昇トレンドの中で上昇継続中。24年3月期に4度も業績予想を下方修正した $アステラス製薬 (4503.JP)$(9%)、赤字が続く $住友ファーマ (4506.JP)$(64%)といった低迷していた銘柄にも見直し買いが入った。再生医療事業を手掛けており、話題も多い $セルソース (4880.JP)$(10%)も大きく上昇した。
(7月11日から8月30日の上昇率)
肥満薬関連の $中外製薬 (4519.JP)$(16%)や好業績の $大塚ホールディングス (4578.JP)$(19%)は中長期の上昇トレンドの中で上昇継続中。24年3月期に4度も業績予想を下方修正した $アステラス製薬 (4503.JP)$(9%)、赤字が続く $住友ファーマ (4506.JP)$(64%)といった低迷していた銘柄にも見直し買いが入った。再生医療事業を手掛けており、話題も多い $セルソース (4880.JP)$(10%)も大きく上昇した。
(以下時価総額順)
◆ $中外製薬 (4519.JP)$
スイス製薬大手ロシュ傘下の医薬品大手。抗体・バイオで先行している。抗がん剤に強み。血友病薬「ヘムライブラ」が欧州を軸に成長。中外製薬は米 $イーライリリー・アンド・カンパニー (LLY.US)$に経口の肥満症薬候補「オルフォルグリプロン」の権利を譲渡しており、販売が実現すればロイヤルティー収入が得られる。イーライ・リリーがすでに発売している肥満症薬「ゼプバウンド」は注射薬だが、オルフォルグリプロンは飲み薬として実用化される可能性があるといい、需要が大きくなるとの期待が広がっている。24年12月期売上収益(売上高)は前期比3.7%減の1兆70億円、コア当期利益は0.6%増の3355億円。国内向けが薬価改定などの影響で減少。営業利益、当期利益が過去最高となる業績見通しに変更はない。
◆ $中外製薬 (4519.JP)$
スイス製薬大手ロシュ傘下の医薬品大手。抗体・バイオで先行している。抗がん剤に強み。血友病薬「ヘムライブラ」が欧州を軸に成長。中外製薬は米 $イーライリリー・アンド・カンパニー (LLY.US)$に経口の肥満症薬候補「オルフォルグリプロン」の権利を譲渡しており、販売が実現すればロイヤルティー収入が得られる。イーライ・リリーがすでに発売している肥満症薬「ゼプバウンド」は注射薬だが、オルフォルグリプロンは飲み薬として実用化される可能性があるといい、需要が大きくなるとの期待が広がっている。24年12月期売上収益(売上高)は前期比3.7%減の1兆70億円、コア当期利益は0.6%増の3355億円。国内向けが薬価改定などの影響で減少。営業利益、当期利益が過去最高となる業績見通しに変更はない。
◆ $大塚ホールディングス (4578.JP)$
抗精神病薬・抗がん剤が主力。「ポカリスエット」など機能性食品も拡大。アルツハイマー型認知症関連薬の開発中止で上期に減損損失約1000億円を計上。8月1日、500億円を上限とした自社株買いを発表した。24年12月期連結売上収益(売上高)は前期比14.7%増の2兆3150億円、純利益は97.3%増の2400億円を見込む。抗精神病薬「レキサルティ」、抗がん剤「ロンサーフ」が好調。
抗精神病薬・抗がん剤が主力。「ポカリスエット」など機能性食品も拡大。アルツハイマー型認知症関連薬の開発中止で上期に減損損失約1000億円を計上。8月1日、500億円を上限とした自社株買いを発表した。24年12月期連結売上収益(売上高)は前期比14.7%増の2兆3150億円、純利益は97.3%増の2400億円を見込む。抗精神病薬「レキサルティ」、抗がん剤「ロンサーフ」が好調。
◆ $アステラス製薬 (4503.JP)$
医薬品国内2位。主力の前立腺がん薬「イクスタンジ」の販売が好調。尿路上皮がん向け治療薬の販売も伸びている。イクスタンジは27年米国を皮切りに特許が切れることから後発薬への切り替えによる販売減が懸念されている。8月1日発表した25年3月期通期見通しは、連結売上収益は前期比2.9%増の1兆6500億円、純利益は76%増の300億円。コアベースでは、売上収益は2.9%増、コア当期利益は16.7%減の1860億円となる。外資アナリストは決算発表を受け、「2Qの上方修正が期待できる内容」とリポートでコメントした。また、同社は8月20日、米ファイザーと共同で開発を進める抗がん剤「エンホルツマブ・ベドチン」について、中国の国家薬品監督管理局の医薬品評価センターから尿路上皮がん患者向けの治療薬として承認を取得したと発表。
医薬品国内2位。主力の前立腺がん薬「イクスタンジ」の販売が好調。尿路上皮がん向け治療薬の販売も伸びている。イクスタンジは27年米国を皮切りに特許が切れることから後発薬への切り替えによる販売減が懸念されている。8月1日発表した25年3月期通期見通しは、連結売上収益は前期比2.9%増の1兆6500億円、純利益は76%増の300億円。コアベースでは、売上収益は2.9%増、コア当期利益は16.7%減の1860億円となる。外資アナリストは決算発表を受け、「2Qの上方修正が期待できる内容」とリポートでコメントした。また、同社は8月20日、米ファイザーと共同で開発を進める抗がん剤「エンホルツマブ・ベドチン」について、中国の国家薬品監督管理局の医薬品評価センターから尿路上皮がん患者向けの治療薬として承認を取得したと発表。
◆ $住友ファーマ (4506.JP)$
$住友化学 (4005.JP)$傘下の医薬品準大手。23年3月期から赤字に転落、構造改革を進めてきた。来期26年3月期に黒字転換するとの見方が強まっている。基幹製品は過活動膀胱治療薬「ジェムテサ」、前立腺がん治療薬「オルゴビクス」、子宮筋腫治療薬「マイフェンブリー」。7月31日に発表した25年3月期1Q業績が大幅に改善したこと、国内事業の構造改革として約700人の早期退職者募集を発表したことが好感され買いが強まった。特に米国での「オルゴビクス」の販売上振れが期待されている。8月7日にシティが「売り」から「中立」にレーティング変更、15日にはJPモルガン、21日にはSMBC日興がレーティングを引き上げた。株価は急騰後、23年7月の高値で頭を抑えられた格好となっている。
$住友化学 (4005.JP)$傘下の医薬品準大手。23年3月期から赤字に転落、構造改革を進めてきた。来期26年3月期に黒字転換するとの見方が強まっている。基幹製品は過活動膀胱治療薬「ジェムテサ」、前立腺がん治療薬「オルゴビクス」、子宮筋腫治療薬「マイフェンブリー」。7月31日に発表した25年3月期1Q業績が大幅に改善したこと、国内事業の構造改革として約700人の早期退職者募集を発表したことが好感され買いが強まった。特に米国での「オルゴビクス」の販売上振れが期待されている。8月7日にシティが「売り」から「中立」にレーティング変更、15日にはJPモルガン、21日にはSMBC日興がレーティングを引き上げた。株価は急騰後、23年7月の高値で頭を抑えられた格好となっている。
医療機関から患者の細胞や血液を受け取り、再生医療に活用できるように加工する事業が主力。不妊治療関連も。社長は元ファミリーマート社長の沢田貴司氏。ファミリーマートや $ユニ・チャーム (8113.JP)$はセルソースと連携し、卵子の凍結保管サービスを通常より安く利用できる福利厚生制度を導入。24年10月期売上高は前期比19%増の53億円、純利益は22%減の7億円を見込む。7月16日には東京都の卵子凍結に係る対象者向けオンライン説明会運営業務を受託したと発表した。野村証券の投資判断は「買い」で目標株価は1600円。
その他の注目銘柄
◆ $塩野義製薬 (4507.JP)$:8月30日大引け後、株式分割と増配を発表
◆ $第一三共 (4568.JP)$:外資アナリストは「2Q決算で通期会社計画の上方修正を予想」と8月中旬のリポートでコメント。
◆ $ペプチドリーム (4587.JP)$:スイス・ノバルティスと提携を拡大中。提携による一時金が業績に寄与する。
◆ $ネクセラファーマ (4565.JP)$(元そーせいグループ):統合失調症など向け治療薬の試験結果に注目
◆ $サンバイオ (4592.JP)$:外傷性脳損傷の治療薬「アクーゴ」の来年出荷開始を目指す
◆ $塩野義製薬 (4507.JP)$:8月30日大引け後、株式分割と増配を発表
◆ $第一三共 (4568.JP)$:外資アナリストは「2Q決算で通期会社計画の上方修正を予想」と8月中旬のリポートでコメント。
◆ $ペプチドリーム (4587.JP)$:スイス・ノバルティスと提携を拡大中。提携による一時金が業績に寄与する。
◆ $ネクセラファーマ (4565.JP)$(元そーせいグループ):統合失調症など向け治療薬の試験結果に注目
◆ $サンバイオ (4592.JP)$:外傷性脳損傷の治療薬「アクーゴ」の来年出荷開始を目指す
TOPIX医薬品指数構成銘柄の年初来上昇率ランキング
―moomooニュースKathy
出所:各社IR資料、ブルームバーグ、四季報、moomoo
出所:各社IR資料、ブルームバーグ、四季報、moomoo
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人類 : ほとんどゾロなのにデフエンジブ