世界のクラウド市場、「ビッグ3」に揺るぎなし　大手プロバイダー8社が市場80％近く支配

2023年第2四半期、世界のクラウド・インフラ・サービスへの支出は、前年同期比で100億ドル増加し、6月30日までの3ヵ月間の支出総額は648億ドルに達した。直近12カ月で見ると、クラウド市場には現在2,470億ドルのビジネスチャンスがあり、クラウド市場競争の激しさにつながっている。以下のグラフが示すように、アマゾン、マイクロソフト、グーグルのクラウド大手3社が、前四半期のクラウド市場収益の6割超を占め、大手プロバイダー8社が市場の80％近くを支配している。

・2023年第2四半期、 $アマゾン･ドットコム (AMZN.US)$社のAWSが変わらずクラウド業界のトップシェアを維持し、市場全体の32%を占め、前年同期比12%増となった。AWSは、前年同期比で成長が鈍化しているものの、AIへの投資を積極的に拡大している。その一例として、同社は最近、1億ドル（約140億円）を投じて「AWS生成AIイノベーション・センター」を設立し、AIや機械学習の専門家と顧客をつなぐ。

・ $マイクロソフト (MSFT.US)$のAzureは、2023年第2四半期においてクラウド・サービス・プロバイダー第2位であり、年間成長率26%を達成し、市場シェアの22%を獲得した。同期間のクラウド受注残高が19%増の2,240億米ドルに達したことにより、今後も好調が続くと予想されている。さらに、Azure OpenAI Serviceは、Ikea、Volvo Group、Zurich Insuranceといった知名度の高い顧客を獲得し、勢いを増している。

・ $アルファベット クラスC (GOOG.US)$のGoogle Cloudは、2023年第2四半期にハイパースケーラー上位3社の中で前年同期比31%増と最も高い成長率に達し、クラウド市場シェア11%を確保した。運用コストの抑制と収益性向上のため、Google Cloudはサーバーとネットワーク機器の減価償却期間を延長した。また、同社CEOは、生成AIのスタートアップの70％以上がグーグルのクラウドインフラとAI機能に依存していることを強調した。