東京市場サマリー：日経平均329円高 最高値に肉薄 急騰の裏に「買い遅れの恐怖」

市場概況
今日の東京株式市場で日経平均株価は前営業日比329.40円高の38487.24円、東証株価指数（TOPIX）が32.88ポイント高の2624.73で終了した。

日銀総裁、海外経済や金融市場動向「丹念に点検」
日銀の植田和男総裁は16日、衆院財務金融委員会で「海外経済や国際的な金融市場動向は日本の経済・物価に重大な影響を及ぼす要素のひとつ」と述べた。その上で「内外の情勢を丹念に点検し適切な政策運営に努める」と話した。

日経平均、最高値に肉薄　急騰の裏に「買い遅れの恐怖」
16日の東京株式市場で日経平均株価は続伸し、上げ幅は一時前日比700円を超えた。1989年12月末につけた終値ベースでの史上最高値（3万8915円87銭）に、あと50円ほどまで肉薄した。前日の米株式市場でS&P500種株価指数が最高値を更新するなど米主要3指数がそろって上昇したことが追い風になった。足元の日本株の上昇は米国株を上回る勢いで、買い遅れた投資家の「恐怖」が株高に弾みをつけている。

「中堅企業」創設、改正案を閣議決定　産業競争力強化法
政府は16日、従業員2000人以下の企業を「中堅企業」と新たに法的に位置づけて重点支援する産業競争力強化法の改正案を閣議決定した。半導体など重要物資の国内生産や知的財産から得られる所得を税制面で優遇することも盛り込んだ。

上場企業が3期連続最高益　24年3月期最終、3兆円上振れ
上場企業の2024年3月期の純利益が3期連続で過去最高を更新する見通しだ。43.5兆円と前期比13%増え、昨年5月の期初予想から3.5兆円上振れする。経済再開や値上げの浸透、円安が収益を押し上げる。 $トヨタ自動車(7203.JP)$など株価の上場来高値更新も相次いでおり、稼ぐ力が高まった企業に投資マネーが流れる動きが鮮明になっている。

日本株好調で膨らむ日銀のＥＴＦ保有総額、年間の税収に匹敵する規模
日本株がバブル期後の最高値を更新する中、日本銀行が保有する上場投資信託（ＥＴＦ）は時価で約70兆円と、日本の年間の税収に匹敵する規模に膨らんでいるもようだ。

マイナス金利解除前後に長期金利１％超も、ボラティリティー上昇警戒
日本銀行によるマイナス金利の解除時期が近づくと日本国債の値動きは荒くなり、0.7％台に抑え込まれている長期金利が一気に１％を超す水準まで上昇する可能性が市場関係者の間で警戒されている。

マイナス金利解除後も「緩和的な金融環境が当面続く」－植田日銀総裁
日本銀行の植田和男総裁は16日、金融政策運営について、マイナス金利解除後も当面は緩和的な金融環境が続くとの見解を改めて示した。衆院財務金融委員会で答弁した。植田総裁は、物価安定目標の持続的・安定的な実現が通せる状況になれば「マイナス金利を含むさまざまな大規模な緩和政策の継続の是非を検討していく」と説明。

野村と大和が日本株ターゲット引き上げ、急激な円高回避で４万円超え
野村証券は2024年度末（25年３月末）の日経平均株価の予測値を４万500円、期中の高値を４万3500円に設定した。これまでは24年12月末時点で３万8000円とみており、事実上の引き上げだ。大和証券もターゲットを従来の３万8600円から４万3000円に見直した。

注目銘柄
半導体関連株は一転軟調な展開、朝高後は利益確定売りに押される
$レーザーテック(6920.JP)$や $ルネサスエレクトロニクス(6723.JP)$、 $ディスコ(6146.JP)$など半導体関連株は朝高後は売りに押され、一転して軟調な展開。主力半導体関連株の多くは上場来高値圏にあり、レーザーテクは前日まで３日続伸、 $SCREENホールディングス(7735.JP)$も７連騰していただけに、買い一巡後は利益確定売りが優勢となっているようだ。

ソフトバンクＧ、5500億円の社債発行へ－年限７年
$ソフトバンクグループ(9984.JP)$は、5500億円の社債を発行すると訂正発行登録書で16日開示した。償還期限は2031年３月14日。

メルカリが大幅反発、ライドシェア事業への参入を目指すｎｅｗｍｏへ出資
$メルカリ(4385.JP)$が大幅高で３日ぶりに反発している。この日、ライドシェア事業への参入を目指すｎｅｗｍｏ（東京都港区）への出資を決定したと発表しており、好材料視されている。

三井物産－後場上げ幅拡大　ブラジル輸送会社株を一部売却へ　売却益約260億円
$三井物産(8031.JP)$が後場上げ幅拡大。同社は16日12時30分、保有するブラジル複合一貫貨物輸送会社ＶＬＩの株式を一部売却すると発表した。

SOMPOホールディングスが連日最高値　損害保険ジャパンの政策保有株ゼロ方針を好感
$SOMPOホールディングス(8630.JP)$が続伸している。前日比350円（4.05%）高の8977円と株式併合考慮ベースの上場来高値を連日で更新した。15日に開いた投資家向け説明会で、傘下の損害保険ジャパンが抱えている約1.3兆円分の政策保有株式をゼロにすると表明した。政策保有株の売却により、資本効率改善の動きが一段と進むとの見方から買いが優勢となっているようだ。