「株主リターンで業界首位!」に挑む3銘柄の期待値は?年間70%超のリターンで海外の同業を圧倒した企業も
企業による投資家重視の姿勢を示す指標の一つが、「株主総利回り(TSR)」だ。株価の上昇率と配当利回りを加えた数値で、“実質的な投資リターン”に相当する。
近年では株主重視のスタンスから、株主総利回りを、役員報酬を算定する際の指標に加える企業も増えてきている。中には同業他社の実名を挙げ、同業他社との株主総利回りの優劣を指標にしている企業もある。
そこで、指標に同業他社の実名を挙げている3銘柄を対象に、直近1年間の株主総利回りで競合に勝てたのか検証するとともに、24年度に株主総利回りが伸びる要素について評価する。
近年では株主重視のスタンスから、株主総利回りを、役員報酬を算定する際の指標に加える企業も増えてきている。中には同業他社の実名を挙げ、同業他社との株主総利回りの優劣を指標にしている企業もある。
そこで、指標に同業他社の実名を挙げている3銘柄を対象に、直近1年間の株主総利回りで競合に勝てたのか検証するとともに、24年度に株主総利回りが伸びる要素について評価する。
◆ $第一生命ホールディングス(8750.JP$:好調な保険業界の中でも割安感
契約者約800万人を抱える国内生保大手。対面販売を主とする第一生命のほか、銀行・証券の窓口販売が中心の第一フロンティア生命などを傘下に持つ。米国や豪州の中堅生保を子会社化するなど、海外展開も進めている。
株主総利回りは、業績連動型株式報酬(役員報酬のうち社長は26~0%、他役員は23~0%)の業績評価指標に加えている。比較対象として、国内保険会社5社と、グローバルで生命保険事業を展開し、日米市場等で当社グループと競合関係にある5社を挙げている。22年3月期は目標が6位で、実績は2位だった。
契約者約800万人を抱える国内生保大手。対面販売を主とする第一生命のほか、銀行・証券の窓口販売が中心の第一フロンティア生命などを傘下に持つ。米国や豪州の中堅生保を子会社化するなど、海外展開も進めている。
株主総利回りは、業績連動型株式報酬(役員報酬のうち社長は26~0%、他役員は23~0%)の業績評価指標に加えている。比較対象として、国内保険会社5社と、グローバルで生命保険事業を展開し、日米市場等で当社グループと競合関係にある5社を挙げている。22年3月期は目標が6位で、実績は2位だった。
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【評価】
国内保険業界は好調な株主リターンをたたき出しており、第一生命HDも直近1年間の株主総利回りは70%を超え、海外勢を押さえて4位に入っている。現在の株価がアナリストによる平均目標株価を上回っているものの、1位だった $MS&ADインシュアランスグループホールディングス(8725.JP$や2位だった $東京海上ホールディングス(8766.JP$と比べてPER、PBRでは割安感があり、株価が伸びれば24年度は1位になる可能性もありそうだ。アナリストによる平均目標株価との乖離が大きく出遅れ感のある $T&Dホールディングス(8795.JP$も狙い目かもしれない。
国内保険業界は好調な株主リターンをたたき出しており、第一生命HDも直近1年間の株主総利回りは70%を超え、海外勢を押さえて4位に入っている。現在の株価がアナリストによる平均目標株価を上回っているものの、1位だった $MS&ADインシュアランスグループホールディングス(8725.JP$や2位だった $東京海上ホールディングス(8766.JP$と比べてPER、PBRでは割安感があり、株価が伸びれば24年度は1位になる可能性もありそうだ。アナリストによる平均目標株価との乖離が大きく出遅れ感のある $T&Dホールディングス(8795.JP$も狙い目かもしれない。
◆ $三菱地所(8802.JP$:直近1年で64%の投資リターンは業界1位
総合不動産デベロッパー大手。賃貸は東京・丸の内を中心としたオフィスビルに強みがある。「ザ・パークハウス」ブランドのマンション分譲事業、商業施設、物流施設など、海外を含めて多様なジャンルの不動産開発を手掛ける。
株主総利回りは、中長期業績連動報酬の一部(総報酬額に占める割合は10%)の評価指標となっている。比較対象として、 $野村不動産ホールディングス(3231.JP$、 $東急不動産ホールディングス(3289.JP$、 $三井不動産(8801.JP$、 $東京建物(8804.JP$、 $住友不動産(8830.JP$の5社を挙げている。株主総利回りの順位によって権利確定割合が変化する仕組みで、1位の場合は100%、6位の場合は0%になる。22年度の評価は6位だった。
総合不動産デベロッパー大手。賃貸は東京・丸の内を中心としたオフィスビルに強みがある。「ザ・パークハウス」ブランドのマンション分譲事業、商業施設、物流施設など、海外を含めて多様なジャンルの不動産開発を手掛ける。
株主総利回りは、中長期業績連動報酬の一部(総報酬額に占める割合は10%)の評価指標となっている。比較対象として、 $野村不動産ホールディングス(3231.JP$、 $東急不動産ホールディングス(3289.JP$、 $三井不動産(8801.JP$、 $東京建物(8804.JP$、 $住友不動産(8830.JP$の5社を挙げている。株主総利回りの順位によって権利確定割合が変化する仕組みで、1位の場合は100%、6位の場合は0%になる。22年度の評価は6位だった。
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【評価】
配当利回りは低いものの、直近1年間では64%の株主総利回りを生み出し、競合全社を上回った。24年度も予想配当利回りは低いものの、アナリストによる平均目標株価との乖離が20%超に上っており、1位をキープする要素は十分にある。
配当利回りは低いものの、直近1年間では64%の株主総利回りを生み出し、競合全社を上回った。24年度も予想配当利回りは低いものの、アナリストによる平均目標株価との乖離が20%超に上っており、1位をキープする要素は十分にある。
光学機器大手。世界シェア7割を有する消化器内視鏡を中心に、医療分野にシフトを進める。2021年から22年にかけてデジタルカメラなどの映像事業や工業用顕微鏡などの科学事業を売却した。
株主総利回りは、長期インセンティブ報酬(CEOおよび会長は役員報酬の57%、その他執行役員は48%)の60%を占める業績連動型株式報酬の評価指標の一つ(40%分)となっている。医療機器を事業ポートフォリオに持つ製造業などから日米欧の20社をピア・グループとして設定。自社が75パーセンタイル以上の場合は200%支給、50パーセンタイルで100%支給、25パーセンタイルで50%支給、25パーセンタイル未満の場合は支給率を0%とする。22年度は50パーセンタイルを目標にして58.8パーセンタイルだった。
株主総利回りは、長期インセンティブ報酬(CEOおよび会長は役員報酬の57%、その他執行役員は48%)の60%を占める業績連動型株式報酬の評価指標の一つ(40%分)となっている。医療機器を事業ポートフォリオに持つ製造業などから日米欧の20社をピア・グループとして設定。自社が75パーセンタイル以上の場合は200%支給、50パーセンタイルで100%支給、25パーセンタイルで50%支給、25パーセンタイル未満の場合は支給率を0%とする。22年度は50パーセンタイルを目標にして58.8パーセンタイルだった。
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【評価】
株主総利回りは16%弱と低めながら、海外勢も含めた業界全体では7位、国内では $テルモ(4543.JP$に次ぐ2位となっている。24年度も配当利回りの低さが目立つ。同社は株主還元について、成長領域への投資への優先活用した上で、安定的に実施することを基本方針としている。24年度の業績見込みは、売上高が前期比9.1%増、営業利益は306.0%の大幅増を見込んでおり、業績の伸びが株価上昇につながる可能性がある。なお、24年度は8期連続の増配と1000億円規模の自社株買いを予定している。医療機器という業種の特性も考慮すると、短期よりも中長期的な株主リターンを狙うのに適した銘柄ともいえそうだ。
株主総利回りは16%弱と低めながら、海外勢も含めた業界全体では7位、国内では $テルモ(4543.JP$に次ぐ2位となっている。24年度も配当利回りの低さが目立つ。同社は株主還元について、成長領域への投資への優先活用した上で、安定的に実施することを基本方針としている。24年度の業績見込みは、売上高が前期比9.1%増、営業利益は306.0%の大幅増を見込んでおり、業績の伸びが株価上昇につながる可能性がある。なお、24年度は8期連続の増配と1000億円規模の自社株買いを予定している。医療機器という業種の特性も考慮すると、短期よりも中長期的な株主リターンを狙うのに適した銘柄ともいえそうだ。
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出所:各社HP、EDINET、NASDAQ、moomoo
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