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エヌビディア決算直前!「隠れAI」2銘柄をチェック!データセンターのニッチ分野で覇者

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ビットバレー投資家 コラムを発表しました · 08/23 04:19
相場の転換点となり得る重要イベントが刻々と迫ってきている。8月28日のエヌビディアの決算発表だ。
これまで $エヌビディア (NVDA.US)$ は、AI相場のけん引役に相応しい業績を出し続けてきた。決算発表後はエヌビディア株だけでなく、SOX指数やナスダック100指数も騰勢を強めてきた。今回も歴史は繰り返されるだろうか。答えは、8月28日(引け後)に明かされる。
他方、SOX指数構成銘柄ではエヌビディア以外の決算はほぼ出揃っている。これらの企業の決算内容からは、AI投資ブームの恩恵がさらに広がっていることが示された。AIデータセンターはエヌビディア1社だけで作り上げられるものではなく、メモリーやモジュールのIPライセンスから半導体の製造、パッケージング・テスト、電力ソリューション、データ通信トランシーバーなど多くの企業がかかわっているためだ。前四半期の決算発表時と比較した際、これらに分野に属する企業で、”エヌビディア超え”の勢いもありそうなAI株も浮上してきた。
今回は、SOX指数とその構成銘柄の決算をまとめたうえで、「隠れAI」2銘柄について業績動向や見通しもチェックする。
エヌビディア決算直前!「隠れAI」2銘柄をチェック!データセンターのニッチ分野で覇者
半導体株、今四半期の業績は総じて堅調
フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)の構成銘柄30銘柄のうち、26銘柄が決算発表を終えた。これらの銘柄の決算からは、半導体産業において伝統的な分野での業績回復はやや緩やかである一方、AI関連分野は引き続き、比較的高い成長が続けていることが示された。
SOX指数全体でみた場合、決算発表済の26銘柄の業績を反映した業績見通しは下記の通り。今四半期はEPS(1株当たり利益)が小幅に伸びるが、来四半期以降は伸びが加速する見通しとなった(なお、エヌビディア決算前のため、今後修正される可能性がある)。
エヌビディア決算直前!「隠れAI」2銘柄をチェック!データセンターのニッチ分野で覇者
個別銘柄の場合、調整後EPS対市場予想比の上振れ率(以下、業績サプライズ)は、下記の通り。総じて業績サプライズがプラスの銘柄が多かった。
エヌビディア決算直前!「隠れAI」2銘柄をチェック!データセンターのニッチ分野で覇者
うち業績サプライズが5%を超えた銘柄は、ファウンドリー大手の $Good Flour Corp (GFCO.CA)$ 、中堅アナログ半導体の $クォルボ (QRVO.US)$ 、半導体パッケージング・テスト大手の $アムコー・テクノロジー (AMKR.US)$ 、半導体設計大手の $アーム・ホールディングス (ARM.US)$ (※)、検査措置大手の $ケーエルエー・コーポレーション (KLAC.US)$ 、先端半導体製造措置大手の $ASMLホールディング (ASML.US)$ 、半導体製造装置大手の $ラム・リサーチ (LRCX.US)$ 、ファウンドリー世界最大手の $台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング (TSM.US)$ などが並んだ。
(※アームは現在SOX構成銘柄ではないが、半導体産業において重要な位置づけにある。)
他方、決算発表後の株価動向を確認してみると、必ずしも業績サプライズが高い銘柄が大きく買われたわけではない。今四半期だけでなく今後の見通しなども含めた業績内容がより重要だからであろう。それが最も反映されやすいのが、アナリストたちによる評価の変化だ。通常、その企業をカバーしているアナリストは決算内容を精査したうえ、中長期的な見通しに基づいて今後12カ月の目標株価を再設定する。業績見通しがより前向きになった場合、目標株価を引き上げるアナリストも多い。
目標株価の上方修正率が高い銘柄
決算発表後、アナリストたちによる平均目標株価の変化率は、下記の通り。
なお、決算発表済の銘柄に加え、エヌビディアの変化率もご参考までに載せた。エヌビディアのAI半導体を製造、あるいは販売している企業の業績内容を踏まえ、一部のアナリストがエヌビディアの目標株価を修正したためだ。3%の上方修正率からすると、エヌビディア関連企業の業績からはエヌビディア製品の需要動向が堅調の可能性がある。実際、TSMCやSMCIの決算からそれが裏付けられている。
エヌビディア決算直前!「隠れAI」2銘柄をチェック!データセンターのニッチ分野で覇者
業績サプライズの表と比較した際、目標株価変化率の表では銘柄の順番が変わっている。今後の見通しなどが反映されたためだ。ただ、再建に苦しんでいるインテルに関しては、業績の大幅な下振れに比例する形で目標株価が下方修正された。
一方、平均目標株価の上方修正率が3%を超えた銘柄は $台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング (TSM.US)$ 、半導体ベースの高性能電力ソリューションを提供する $モノリシック・パワー・システムズ (MPWR.US)$ 、アナログ半導体大手の $テキサス・インストゥルメンツ (TXN.US)$ 、検査措置大手の $ケーエルエー・コーポレーション (KLAC.US)$ 、パワー半導体大手の $オン・セミコンダクター・コーポレーション (ON.US)$ 、中堅アナログ半導体の $クォルボ (QRVO.US)$ 、光学ソリューションメーカーの $コヒレント (COHR.US)$ などが並んだ。
これらの銘柄の中には、下半期これまでの株価上昇率がエヌビディアを超えた銘柄も多い。たとえば、モノリシック・パワー・システムズコヒレントテキサス・インスツルメンツだ。業績見通しやアナリストによる目標株価の引き上げを反映した株価上昇とみられる。
エヌビディア決算直前!「隠れAI」2銘柄をチェック!データセンターのニッチ分野で覇者
SOX指数が下半期これまで(8月22日まで)7%下落しているような相場環境を踏まえると、これらの銘柄の逆行高(約5%~10%上昇)は注目に値すると考えられる。うちAI関連分野が業績拡大に大きく寄与した2銘柄について、それぞれの業績動向や見通しをチェックする。
  $モノリシック・パワー・システムズ (MPWR.US)$
◇会社概要
電力ソリューション会社。半導体ベースの高性能電力ソリューションを提供する。電源ICや絶縁型ゲート・ドライバ、パワーモジュール、バッテリーおよび充電器などを手掛ける。コンピューターやデータセンター(AIデーターセンター含む)、自動車(ADAS等)、家電など幅広い分野に製品を提供する。世界各地で事業を展開。エンドユーザー別売上高構成比(2023年12月期)はストレージ&コンピューティングが27%、オートモーティブが22%、エンタープライズ・データが18%となっており、成長機会の幅が広い。
◇業績動向
堅調な業績拡大が続いている。下記の会社資料が示すように、業界の低迷期においてもプラス成長を達成してきた。
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4-6月期は売上高が5.07億ドルで、会社側が示したガイダンスのレンジ上限、および市場予想の4.91億ドルを上回った。大幅増収は、1)AIパワー・ソリューションに対する需要の増加、2)いくつかの最終市場における受注改善、3)過去数年間に獲得した設計案件による初期の増収によるものだ。
部門別では主力のストレージ&コンピューティング、オートモーティブ、エンタープライズ・データがともに売上高が拡大している。経営陣は、エンタープライズ・セグメントでは大電流を必要とするAIプロセッサが登場しているため、自社の事業機会は大きいとみている。8月1日の決算説明会で、「たとえばGoogleやAWS、Metaなどの会社からの設計獲得はまだあまり伸びていないが、これからやってくるだろう。我々は大きなチャンスがあると考えている」とコメント。同時に、自社はAIだけの会社になりたくないとし、AI以外の分野でも多くの事業機会を有していると強調した。
主力部門の堅調さを支えに、今後も業績拡大は続く見通しだ。
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◇決算発表後の目標株価の変化
8月1日に決算発表後、複数のアナリストが目標株価を引き上げた。
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$Cochlear Ltd (COH.AU)$
◇会社概要
光学ソリューションメーカー。データ通信用の光トランシーバーのリーダー。産業用高出力レーザーや半導体レーザー、光学部品のほか、光通信システム、データセンター接続などを手掛ける。市場別売上高構成比(2024年6月期)はコミュニケーションズが48%、産業が36%、エレクトロニクスが8%、インストルメンテーションが8%。主力のコミュニケーションズはテレコムとデータコム(クラウド・インフラストラクチャーやAI/機械学習分野)が含まれる。
◇業績動向
4-6月期は売上高が13.1億ドルで1-3月期に比べて9%増、調整後EPSは0.61ドルで同49%増となり、市場予想を上回った。主にAIデーターセンター向けのデータ通信トランシーバーが堅調な伸びとなり、業績をけん引した。7-9月期のガイダンスは売上高が12.7億ドル~13.5億ドル、調整後EPSが0.53~0.69ドルで、いずれも中央値で市場予想をやや下回った。
決算説明会で経営陣は、「AI関連のデータ通信需要は引き続き堅調」で、800Gデータ通信トランシーバーの現在および将来の受注と受注残は増加していると説明。また今後数四半期にわたって、データ通信事業は力強い成長が見込まれるとした。
会社側はデータコム市場の規模拡大は今後、加速するとみている。自社にとって事業機会は大きいと、下記の決算説明資料(8月15日)で示した。これから最も伸びる余地の大きい800Gデータ通信トランシーバーは同社にとって大きな成長エンジンとなっている。将来的には1.6Tの増加も見込まれている。現在、800Gの増産を進めており、1.6Tについては今後数カ月でサンプル提供の予定。来年には1.6Tの増産が期待できるという。
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◇決算発表後の目標株価の変化
決算発表後、1人のアナリストが目標株価を引き下げ、複数のアナリストは目標株価を引き上げた。
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24年8月23日 マーケットアナリスト Amelia
出所:会社資料およびBloombergよりmoomoo証券作成
免責事項:このコンテンツは、Moomoo Technologies Incが情報交換及び教育目的でのみ提供するものです。 さらに詳しい情報
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